2011年10月23日日曜日

先日のコンサートのご報告とご挨拶(Herzlichen Dank!!)


                               (Photo von Frank Wallerstein)

10月16日の日曜日、
予定通りにデュッセルドルフの
stilwerk forumの地下ホールにて
PIANOSOLIの定期コンサートが行われました。
お忙しい中、コンサート会場まで足をお運び頂いた皆様に
PIANOSOLI一同、御礼申し上げます。

今回のコンサートでは、
少し前にブログでお知らせしましたように、
フランツ・リストの生誕200年記念ということで、
フランツ・リストの作品をメンバーが個々に選び、演奏致しました。
リストの誕生日は10月22日とされています。
ドイツでは本来、お誕生日の前祝はしないはずなのですが、
そこはリストにちょっと目をつぶってもらった形です。
ここ数日の明るく気持ちの良い、晩秋のお天気に、マエストロもすっかり
気分良く、天上でくつろいでいるのではないでしょうか。

2012年のPIANOSOLIは、6月頃に、テーマ無しの定期コンサート、
秋にはドビュッシー生誕150年コンサートを予定しております。
期日が迫りましたらまた、ブログ、メール(リスト登録のお客様宛て)
でお知らせしたいと思います。

次回のコンサートまで間はありますが、皆様に楽しんで頂く為に、
私たち、“PIANOSOLI”はまた新たな段階へと進んでいけますように、
精進を怠らず、なお且つ、また自分たちもそれを楽しみながら、
2012年へと向かっていきたく思っておりますので、
これからも応援宜しくお願い致します!^^

また皆様にお目にかかれる日を楽しみに、、。

PIANOSOLI


Liebe Leser und Leserinnen,

wie wir bevor hier Ihnen benachrichtigt haben,
haben wir am Sonntag 16.Oktober,
erfolgreich mit schönes Konzert 200 Gerburts-Jahre
von Franz Liszt gefeiert.

wir bedanken uns herzlich,
für den Besucher an dem Tag unseres Konzertes.
Wir hoffen das Sie mit uns
diese Musikstunde der Genie zusammen genossen haben.

wir „PIANOSOLI“ planen für nächstes Jahr 2012
zwei Konzerte.
Erste Konzert wird wahrscheinlich am Juni mit „ohne Themen“,
und zweite am Herbst,
150 Jahre Geburtsjahr Jubiläums-Konzert für Claude Debussy!
Kurz vor dem Konzert werden wir Sie informieren,
mit diesem Blog und E-mail für Besucher von letzte Konzert,
welche sich bei unsere Zuhörer-Liste eingetragen haben.

Wir wünschen Ihnen diese wunderschönen Herbstferien noch zu geniessen,
und schöne Zeit noch weiter hin!!!!!
Auf wiedersehen im Jahr 2012.

Alles Liebe von PIANOSOLI

2011年10月2日日曜日

次回のコンサートのお知らせ(Einladung zum naechsten Konzert)



もう10月だというのに、夏日のような毎日ですね。
この時期になると、毎年
日も短くなり、気温も少しずつ下がって来て
冬に入る前に、気持の準備のシートベルトを
かける頃ですが、今年は夏が涼しかったから
そのお釣が来ているのでしょうか。。

今日は
わたしたち、PIANOSOLIの今年第二弾のコンサートの
お知らせと、ご招待の記事を皆さんに
お届けしたいと思います。

今回PIANOSOLIのコンサートのテーマは、
フランツ・リストの200年誕生年です。
皆様のご来場を心待ちにして
準備しておりますので、
お友達を誘って気軽に楽しみにいらして下さい。

<プログラム、コンサートの詳細>
・ハンガリー狂詩曲 第2番(1847)
・『巡礼の年 第2年 イタリア』より ソナタ風幻想曲『ダンテを読んで』
・オペラ編曲 「トリスタンとイゾルデ」より「愛の死」
・「リゴレット」(演奏会用パラフレーズ)
・リスト ピアノソナタ ロ短調

場所:Stilwerk 地下ホール(ベヒシュタイン隣接)
日時:2011年 10月16日 15時(14時半入場)
入場無料(今後の活動のために、募金箱を設置させていただいています。
皆様のご協力に感謝致します。)
協力:C.Bechsteinデュッセルドルフ

メンバーのそれぞれが演奏する曲目について
記事を書きましたので、よろしければ
併せてご覧下さい。


Guten Tag,
meine Damen und Herren!

trotz diesem extreme schönes Oktober Wetter,
bleiben wir zu Hause.
wir "PIANOSOLI" sind für Sie wieder dabei,
diesmal für Franz Liszt seinem 200 Jahre Geburtstag mitzufeiern.

ich freue mich Sie wieder zu unseren Konzert einladen zukönnen.
das wird bestimmt ein schönes Konzert,
die Werke von Franz Liszt sind virtuoso,Unterhaltsam,
fürs Publikum ein reines Vergnügen.

leider ist diese Blog hauptsächlich auf Japanische geschrieben.
wenn Sie trotzdem von dem Künstlern mehr erfahren möchten,
bitte nutzen Sie den Google Übersetzer-Funktion.
wir haben über die Werke die an diesem Tag gespielt werden,
mehr beschrieben.

wir wünschen Ihnen noch schöne Herbsttage,
hoffentlich bis bald wieder!

***Programm***
-Ungarische Rhapsodie Nr.2
-Après une Lecture du Dante
-Isoldes Liebestod
-Rigoletto(Paraphrase de concert)
-h-moll Sonate

Sonntag 16.Oktober.2011 Um15Uhr
Im stillwerk forum
(Grünstr.15 40212 Düsseldorf)
Eintritt frei
(wir freuen uns über Ihre kleine Unterstützung)
Mit freundlicher Unterstützung von C.Bechstein Centrum Düsseldorf

ハンガリー狂詩曲第2番

ハンガリー狂詩曲 第2番(1847)(1851年出版)

ハンガリー狂詩曲は、全19曲からなる作品集で、
最初の15曲は、1851~53年にかけて出版された。
最後の4曲は、晩年1882~85年に作られたもの。

リストは、愛国心の強かった作曲家の一人。
祖国に対する愛情からハンガリーの民族的旋律や
リズムを生かした様々な曲を書いています。
(ただし、リストがハンガリー古来の民謡だと思って取り入れていたものは、
実は違っていたという説もある)

幼少のころ、ハンガリーの田舎で生活し、
その後、リストの才能を伸ばすために一家をあげて11歳でウィーンへ、
その後、パリへと移住。
世界的な大ピアニストとなったリストでしたが、
祖国への想いが消えることはありませんでした。
実際、彼が再び故郷を訪れたのは、1839年。
以前、ドナウ川の大洪水でハンガリーがひどい災害を受けた時、
音楽会を開催し、多額の救済金を祖国に送っています。

このとき、リストは国を挙げての歓迎を受け、
非常な感激をおぼえ、翌年から”ハンガリーの民族的旋律集“と題する曲集を出版し、
これがのちに”ハンガリー狂詩曲”にまで発展していったのです。

第2番はこの作品集の中でももっとも有名で、
皆さん、トムとジェリーでもお馴染みではないでしょうか?

高校生の時、数曲弾いたハンガリー狂詩曲のうちの一つ。
この曲を弾くと、当時を思い出し、どうしても日本のことが想われます。
リストが祖国の災害に悲痛な想いでいたように、現在、私たちも同様です。
音楽が、少しでも多くの人々を
元気づけることができれば・・・という気持ちでいっぱいです。

江藤早織

『巡礼の年 第2年 イタリア』より               ソナタ風幻想曲『ダンテを読んで』

リスト生誕200年記念!と銘打った今回の企画。
この機会に、これまでの『リスト氏との関わり』について、
思い出してみることにしました。

初めての出会いは、小学校の音楽室に飾られた肖像画。
居並ぶ作曲家諸氏の中で
『スッキリとした顔立ち、細身の身体、ワンレングス』というお姿に、
少し違和感を覚えたような…。
その後『偉大なピアニストでもあり、
普通の人では弾けないような難曲をたくさん書いた作曲家』
という情報を入手して、
子ども心に『自分とは関係ない超人』と位置づけておりました。

中学生のころ、ピアノの発表会でリストの曲を聴いたときも
『確かに難しそう…。自分にはまだまだ!』と思っていましたので、
初めて自分で演奏したのは、高校入学後。

購入したエチュード集の楽譜には、
これまでに見たことのないような真っ黒なページもあって、大ショック。

それ以降、いくつかリストの作品を演奏しましたが、
毎回『何だか必死?!』というイメージがつきまとい、
残念ながら、いまひとつ充実感が湧かず…。

さらに、ピアニスト・指揮者・作曲家・教育者・著述家としての
幅広い活動と偉大な業績、数々の女性関係のエピソードなどを知るにつけ、
ますますリスト氏の人となりを想像するのが難しくなり…。

そんな中で、私にも親しみが持てそうだったのは
『地獄や悪魔を題材にした物語』が好きそうなところ?!

今回、演奏する『ダンテを読んで』は、
リストが6歳年上の伯爵夫人とのイタリア滞在中、
かの地で感銘を受けた芸術作品や文学作品の印象をまとめた
『巡礼の年 第2年 イタリア』の第7曲。

リストが繰り返し読んだダンテの
『神曲』から霊感を得て書き上げた、壮大な幻想曲です。

『地獄・練獄・天国』とダンテ自身が巡っていく物語を象徴するように、
同じ音型が、果てしなく続く苦しみや、
光に包まれて救済されていくイメージを伴って、
何度も繰り返され、曲集の最後を飾るにふさわしい輝かしいフィナーレを迎えます。

今回の演奏と200歳のお誕生日を機に、
多少なりともリスト氏とお近づきになれると嬉しいのですが?!

藤枝有紀子

トリスタンとイゾルデより「愛の死」、リゴレット・パラフレーズ

今回選んだ、2曲の演奏会用パラフレーズはどちらも、
大変有名なオペラ作品を
下敷きにして作られた作品です。
今日このブログでは、リスト本人のことは少し横において、
これらの元になった作品、作曲家
について何か書いてみたいと思います。


ジュゼッペ・ヴェルディ、リヒャルト・ワーグナー。
オペラ史において巨人のような存在、今もオペラ座で演奏され続ける
主要なレパートリーになる偉大な作品群を遺した二人の作曲家。
しかし、あまりにもイメージが違いすぎてこの二人が
まったく同じ誕生年に生まれているとは、ちょっと想像がつきません。
(1813年生まれ。リストのふたつ年下ですね。)

二人が、同席することは一生のうちで一度もなかったらしいのですが、
ヴェルディは、晩年ワーグナーを意識し、
オーケストレーションなどをあえて勉強もし、
自分の作品に反映したとされています。

ワーグナーとリストは、いうまでもなく、
リストの娘コジマが後年奥さんになるぐらいの(?)濃ゆ~い交友関係がありました。
ちなみに、リストが心筋梗塞で亡くなる直前にバイロイト音楽祭で観ていたのが
(当時からあったんですね。。)ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」だったそうです。
でも、オペラを観た直後に亡くなるとは、大作曲家らしい死に方だなあ、と思ってしまいます。

この「トリスタンとイゾルデ」の中から、第3幕3場のイゾルデのアリア
愛の死」をテーマに作られたのが、今回演奏するリストの編曲篇です。
「トリスタンとイゾルデ」についてワーグナーは
「あらゆる夢の中で最も麗しい夢への記念碑」と語っています。
フリードリヒ・ニーチェ曰く、
「私は今日でも尚『トリスタン』と同じくらい危険な魅力を持ち、
同じくらい戦慄的で甘美な無限性を具えた作品を探しているのだが、依然として見つからない。
――芸術の全領域を探しても見つからないと思っている。
レオナルド・ダ・ヴィンチの示すあらゆる異様な魅力も、
『トリスタン』の最初の一音で魔力を失ってしまうであろう。
この作品こそ、断じてヴァーグナーの最高の絶品である。」
危険で、戦慄的で、しかも甘美、、、。
なんだかぞくぞくっとして来て、観てみたい気がしてきませんか。

リゴレットは、ヴェルディのオペラでは醍醐味のひとつとなる、
登場人物の心理描写がとても面白いオペラです。
元々ヴェルディが「呪い」というオペラの名前を考えていて、
台本作家のピアーヴェに反対して止められ、
道化役者の主人公「リゴレット」の名になったらしいのですが、
正に「呪い」としか言いようのない、これでもかというような、
神も仏もない、だからこそのザ・オペラなミゼラーブルなお話です。
劇中のアリアとしては、ピザのCMにまでも(!)出てきて、
もはや、歌謡曲のようにポピュラーな「女心の歌」が最も有名で、
踏んだりけったりの運命、世にも気の毒な女性、
ジルダの「慕わしき人の名は」もコロのアリアとして、耳に馴染みのある曲です。
リストが編曲したパラフレーズでは「美しい恋の乙女よ」                      

第三幕の四重唱のテーマを主題に作られています。
みなさんのオペラ体験のきっかけになるような、
どきどきわくわくのオペラの世界のエキスが、
少しでも表現できますように
楽しくスリリングに演奏できたらと思います。

注:赤いリンクの文字をクリックすると、
元のオペラのテーマの映像を観る事ができます。

梅谷初

ピアノソナタ ロ短調

リストは、多数のピアノ曲を残しましたが、
「ソナタ」と名がつくものは、唯一このロ短調ソナタです。
リストの最も実り多い時期に作曲され、彼の最高傑作であると同時に、
現在ではロマン派を代表する重要なピアノ曲のひとつとなっています。

しかし、この曲が初演された当時は、「賛成」「反対」の意見が真っ二つに
分かれ、歴史上もっとも大きな論争になり、それは長い間続いたといわれます。
ソナタといえど、その形式よりはずっと自由で、革新的な曲だったからです。
ワーグナーは賛成派 、そしてこの曲が贈られたR.シューマンの妻
クララ・シューマンやブラームス、は皮肉にも反対派でした。
献呈されたロベルト・シューマンは、その時すでに、病んでいたということです。

もし・・・私がその当時生きていて、まだ近・現代音楽や他のジャンルの音楽を知らない私が
はじめてこの曲を聴いたなら・・・どう感じただろうか。賛・否のどちらに属するのだろうか?
・・・と、つい、そんなことを想像してしまいます。
どちらにしても、この曲の威厳にあふれる力強さに圧倒され、美しい世界に引き込まれてしまう
ことは間違いないでしょう。

数少ないモチーフが、約30分連続して演奏されるこの曲の至る所に、
天使のように、そして、時折悪魔のように姿を変えながら現れ、
統一感をなしているのが特徴です。
まるで、一人の人間にも美と悪が共存しているんだ、と言っているかのように・・・。

暗い影、祈るような一筋の光、また内面から情熱が迸り、燃え尽きるドラマチックな曲であり、
私たちを別世界へ引き込んで行ってくれます。
大作であると同時に、技巧的にも大変難しい曲。
自分なりにリストをどこまで追求できるかが課題です。

是非、みなさんも一緒にリストの世界を体験してみてください。

ヴァラーシュタイン西原典恵