2015年2月22日日曜日

Klaviermusik rund um die Welt          2月28日のコンサートへのご招待

今回はみなさまに、
お知らせするのが随分と遅くなってしまいました、、。汗
管理人として、誠に申し訳なく思っております。

さて、気を取り直し。
今月のピアノソリのコンサートのお知らせです。

今回のコンサートでは、わたしたちピアノソリは「世界のピアノ音楽」という
テーマを選びました。
「世界のピアノ音楽」と言うと
いささか、「世界」のイメージが大きすぎて
捉えがたい感覚があるかと思います。

ありがたいことに、と言うべきか、
残念なことに、と言うべきか、、、
1人のピアニストでは一生かかっても弾ききれないであろう
ありとあらゆる国の作曲家がこしらえた
沢山のピアノ曲が、存在しています。

今回取り上げる作品たちは、
プログラムを眺めていただくと分かりますように、
大陸別に、カテゴライズされて
演奏されていく予定です。
ちなみにこのカテゴリー分けは、
作曲家の出身地であったり、その曲の内容、タイトルから
であったり、様々です。

今回のコンサートにあたり、
できるだけ、このテーマにそぐうような
各地域の
民族色を感じさせるような作品たちが、
それぞれのメンバーにより
選ばれてきたように思います。
もちろん、数あるピアノ音楽の中から
それは、氷山の一角であるに過ぎないのですが。。。

このような、冒険というか、
実験的な試みは
演奏者としてわくわくするような
楽しさがありますし、
ご来場いただく皆様にも、
この、お祭りのような楽しさをぜひ、一緒に味わっていただきたい
と思っております。

どうか、2月28日、土曜日、18時から
いつものように、stilwerk forumにて行われる
PIANOSOLIのコンサート、テーマ「世界のピアノ音楽」に
みなさま、万障繰り合わせ、足をお運び下さいませ。

最後に、
この記事の後部から、
いつものように、演奏者による当日の演奏曲目の解説もございます。
こちらも合わせて事前に読んでいただけると、
より、一層、お楽しみいただけるかと思います。

PIANOSOLI一同、
みなさまと再会できます、この音楽のひと時を
楽しみに、心待ちにしております。
ぜひ会場でお逢いしましょう!

草々
PIANOSOLI

プログラム、期日などは以下の通り。

2015年 2月28日 土曜日
17時35分 開場 18時 開演
stilwerk forum  (地下一階 ベヒシュタイン脇のホール)
最寄り駅 Königsallee/Steinstr
入場無料
(今後の活動の為に当日、募金箱を設置しております。
皆様のご協力に感謝いたします。)
協力・後援:べヒシュタイン・デュッセルドルフ、stilwerk

演奏:ピアノソリ
(梅谷初、ヴァラーシュタイン西原典恵、
ロベルタ・プラータ・クレメンス
滝村乃絵子、藤枝有紀子)   *あいうえお順



*****プログラム*****

(ヨーロッパ)

ドイツ
 F・メンデルスゾーン・バルトルディ (1809-1847) 
「夏の名残りのばら」による幻想曲 ホ長調 作品15

スペイン
F・モンポウ(1893-1987)
『子どもの情景』街路での叫び/浜辺の遊び1/遊び2/遊び3/庭の乙女たち

ロシア
D・ショスタコーヴィチ (1906-1975)
 三つの幻想的な舞曲 Op.5

リトアニア
C・キュイ (1835 - 1918 )
4つの小品Op.22より ノクターン

ウクライナ
N・カプースチン (1937-) 
8つの演奏会用エチュード Op.40より 「プレリュード」

(アフリカ)

モロッコ
M・オアナ (1913-1992)
『解釈法のための練習曲より 第1番 自由なカデンツ』

南アフリカ
マイケル・ブレイク(1951-/)
『ゼア・ソウルズ・ゴー・ワルツィング・オン』

(アジア)

ペルシャ
リムスキー・コルサコフ(1844-1908)
シェへラザード 作品35より 
『海とシンドバッドの舟』4手連弾

休憩

日本
伊福部明(1914-2006)
ピアノ組曲より 「盆踊り」「七夕」

インドネシア
レオポルド・ゴドフスキ(1870-1938)
ジャワ組曲より 「ガムラン」

中国
リ・エン(1930-2008)
4手のための小品

(オセアニア)

オーストラリア
モーリッツ・エッゲルト(1965-)
「2人の歌い、叩くピアニストとピアノのためのアボリジナル」

パプア・ニューギニア 
オリヴィエ・メシアン(1908-1992)
「4つのリズムの練習曲より 火の島 Ⅰ 」

(南極)

ロベルタ・プラータ・クレメンス
「暗い海」

(南アメリカ

ブラジル
エイトル・ヴィラ・ロボス(1887-1959)
ブラジル風組曲より
「セレナード弾きの印象」「奥地の祭り」

アルゼンチン
アストル・ピアソラ(1921-1992)
「アディオス・ノニーノ」タンゴ ラプソディー

(北アメリカ)

アメリカ合衆国
ジョージ・ガーシュイン(1898-1937)
「ラプソディー・イン・ブルー」



Das Konzert von PIANOSOLI
"Klaviermusik rund um die Welt"

am Samstag 28.Februar.2015
um17Uhr35 Einlass 
um18Uhr00 Konzertbeginn

stilwerk forum (Untergeschoß)
Grünstr.15 40212 Düsseldorf

Freundlichen Unterstuetzung von C.Bechstein Düsseldorf und stilwerk
(Der Eintritt ist frei.Wir freuen uns als Musiker aber
über eine kleine Spende wenn Ihnen die Musik gefällt.
Sie unterstützen uns damit für zukünftige Projekt.
vielen Dank.)

Am Fluegel:PIANOSOLI

〜Aus Europa〜 
Felix Mendelssohn Bartholdy (1809-1847) -- Deutschland --
Fantasie über das irländische Lied ''The Last Rose of Summer'' E-Dur op. 15 

Federico Mompou (1893-1987) -- Spanien -- / Kinderszenen
Schreie auf der Straße / Spiel am Strand 1 / Spiel 2 / Spiel 3 / Mädchen im Garten

Dmitri Schostakowitsch (1906-1975) -- Russland -- / Drei phantastische Tänze op. 5
Cesér Cui (1835 - 1918 ) --Litauen-- / Nocturne aus 4 Morceaux op.22
Nikolai Kapustin (1937-) --Ukraine-- / Konzertetüde op.40 Nr.1 Prelude

〜Aus Afrika〜
Maurice Ohana (1913-1992) -- Marokko -- / Etude d'interprétation 1.Cadences libres
Michael Blake (1951- ) --Südafrika-- / Their Souls Go Waltzing On 

〜Aus Asien〜
Rimsky-Korsakow (1844 -1908) /aus „Scheherezade“ -- Persien --
Das Meer und Sindbads Schiff ( Largo e maestoso-Allegro non troppo)

(Pause)

Akira Ifukube (1914-2006) -- Japan -- / aus Piano-suite “Bon-Odori”,”Tanabata”
Leopold Godowsky (1870 - 1938 ) / aus Java-suite “Gamelan”-- Indonesien 
Lu Yen (1930-2008) -- China -- / Piece for four hands 

〜Aus Ozeanien〜
Moritz Eggert (1965-) / Aboriginal -- Australia -- 
Oliver Messiaen (1908-1992) /Quatre Études de rythme I. Ile de feu I. -- Papua-Neuguinea --

〜Aus Antarktis〜
Roberta Plata-Clemens / The dark sea 

〜Aus Südamerika〜
Heitor Villa-Lobos (1887-1959) -- Brasilien -- /Aus Ciclo brasireilo W374(1936-1937)
“Impressões seresteiras (cis-Moll)”, “Festa no sertão (C-Dur)” 

Astor Piazzolla (1921-1992) -- Argentinien -- / Adios Nonino ''Tango-Rhapsody'' 

〜Aus Nordamerika〜
George Gershwin(1898-1937) -- U.S.A. -- / Rhapsody in Blue(1924) 



































2015年2月19日木曜日

フェデリコ・モンポウ作曲 「子どもの情景」ほか 演奏者 藤枝有紀子

モンポウ「子どもの情景」
オアナ「解釈法のための練習曲より第1番 自由なカデンツ」
ブレイク「ゼア・ソウルズ・ゴー・ワルツィング・オン」
メシアン「4つのイズムの練習曲より 第1番 火の島 l

~フェデリコ・モンポウ(1893-1987/バルセロナ出身)~
『子どもの情景』街路での叫び/浜辺の遊び1/遊び2/遊び3/庭の乙女たち

20世紀のピアノの詩人とも呼ばれる、モンポウが
19151918年に書いた、初期の代表作の一つ。
『最も影響を受けた作曲家は、フォーレ、ドビュッシー、サティ』
『理想とするのは、何も不足せず、何も余計なものが無い作品』
『目的は、研ぎすまされた内なる耳でも、容易には出会えないような響きを作ること』
『自分は十人以上の聴衆のために曲を書いたことは一度もない』
といった言葉を残したモンポウ。数々の世界的な芸術家たちを輩出してきた文化都市、
20世紀初頭のバルセロナで生まれた、詩情と余韻に満ちた音楽をお楽しみください。

~モーリス・オアナ(1913-1992/カサブランカ出身)~
『解釈法のための練習曲より 第1番 自由なカデンツ』

モロッコ出身のフランス人作曲家さんですが、なかなか興味深いかたです。
父親は英国領ジブラルタル出身のスペイン系ユダヤ人で、母親はスペイン人。
少年時代をモロッコで過ごし、20歳のときに家族とともに南フランスへ移住。
建築学を学ぶが、その後音楽に転向。パリ、バルセロナ、ローマで学ぶ。
第二次世界大戦中は、英国軍兵士として、アフリカ戦線を転戦。
戦後はパリに移り、1976年にフランス国籍を取得。

『解釈法のための練習曲』は1981-1982年に書かれた作品。
12曲。(11番と第12番では、打楽器も加わります。)
ドビュッシーの練習曲の延長線上に書かれていて、オアナはこの練習曲で
さらにピアノにおける共鳴音、テキスチュア、音色を新たに探求しています。
今回演奏する第1番でも、言葉やアーティキュレーション、ペダルの指示が
細かく書き込まれてますが、オアナの求める響きをどこまで表現できるのか ?!
当日をお楽しみに。

~マイケル・ブレイク(1951-/ケープタウン出身)~
『ゼア・ソウルズ・ゴー・ワルツィング・オン』

2004年『アイヴズ』『シェーンベルク』の生誕130年を祝う
プロジェクトのために書かれた作品。それぞれの作曲家から
『3ページのソナタ』よりマーチ(アイヴズ)
『5つのピアノ曲 作品23』よりワルツ(シェーンベルク)
の断片が取り出され、アフリカ風の特徴的なリズムパターンを
交えつつ、マーチとワルツが渾然一体となって迫ってきます。
南アフリカ作曲界の第一人者、ブレイク氏の音楽。どうぞお楽しみに。

~オリヴィエ・メシアン(1908 - 1992/アヴィニョン出身)
『4つのリズムの練習曲より 第1番 火の島 I

20世紀最大の作曲家の一人で、作曲はもちろん、オルガニスト、教育者
としても活躍したメシアン。私が今回演奏するのは、1950年に書かれた
『4つのリズムの練習曲』の第1番。練習曲の第4番『火の島 ll』とともに、
パプアの人々に捧げられています。メシアンによれば、この曲の主題は
『この土地の呪術的な儀式の圧倒的な力』に着想を得て作り上げたそう。
わずか 40小節の短い作品ですが、シンプルなリズムと旋律のパターンが
バスドラムやゴング、鳥の声などを伴いつつ、何度も繰り返されます。

太平洋戦争では激戦地となったパプアニューギニア。数多くの部族が暮らし、
広大な熱帯雨林は、野生動物の宝庫でもあります。そんな豊かな自然が
これからも守られていきますように…。という願いも込めて、メシアンが
2分間で描くパプアの世界を堪能していただければ、幸いです。

藤枝有紀子

カプースチン作曲 8つの演奏会エチュード Op.40より 「プレリュード」ほか 演奏者 ヴァラーシュタイン西原典恵

今回のテーマは「世界のピアノ曲」、広い広いテーマです。きっと星の数くらい(?)ある世界中のピアノ曲からほんの1部、一体何を弾こうか・・・私達メンバーはそれぞれ考えました。そして私は今回、日本、東南アジア、東ヨーロッパの作曲者またはその地に因んだ曲を数曲演奏することにしました。全員の集まったプログラムは全大陸から勢揃い!聴くのが楽しみです。
伊福部昭:ピアノ組曲より「盆踊り」、「七夕」
日本人作曲家、伊福部昭は多数の邦画音楽、とりわけ「ゴジラ」のテーマ曲を作った人としても有名です。今回は『ピアノ組曲』の1,2曲目である「盆踊り」「七夕」に挑戦。両曲とも日本の伝統行事と関係があり、日本の情緒がたっぷり含まれています。日本組曲には続いて3曲目『演伶(ながし)』、4曲目『ねぶた』があります。
『盆踊り』では力強い大太鼓と笛の音が混じりながら、何度も繰り返され、次第に盛り上がりながら人々が踊り狂う様子がうかがえます。精気に満ちあふれる1曲。続く『七夕』は、風鈴が鳴るのを聞きながら、やさしく懐かしい子守唄を聞いているようです。昔に帰ったようなセピア色の夏の風景が目に浮かぶよう。
ゴドフスキー:ジャワ組曲より 「ガムラン」
ジャワ島のガムラン音楽を表した曲。その名の通り、いくつものガムランが共鳴しているような響きがします。始めはさわさわと静かに始まり、だんだん盛り上がって大音量に鳴り響き、次第にまた静かに幕を閉じます。ゴドフスキーの、見事なピアニスティックに仕上げた聴きごたえのある1曲。
キュイのノクターンは「4つの小品Op.22」のうちの3曲目である。
軍人であり、また毒舌な音楽評論家であったキュイ。「ロシアの5人組」(キュイ、バラキレフ、ムソルグスキー、ボロディン、リムスキー=コルサコフたち)と呼ばれるグループの中の一人ですが、存在は薄いようです。晩年は失明してしまい、口述で作曲活動をしたとか。また批評家としてはかなりの毒舌家だったようで、ラフマニノフが交響曲1番の不評を買い、神経症になってしまったことは有名ですが、このキュイが批判していたようです。そんな口の悪い(?)キュイの風格とは裏腹に、このノクターンはすーっと誰にでも受け入れられるような素直な曲想をしており、旋律も大変美しいです。
ショスタコーヴィッチ:3つの幻想的な舞曲  Op.5は、彼の16歳の時の作品。音がふんわり飛んだり落ちたり・・・まるで鳥が、自由自在に踊っているかのよう。この曲は管楽器や弦楽器用などにも編曲されています。1.マーチ 2.ワルツ 3.ポルカ
カプースチン:8つの演奏会用エチュードOp.40より 『プレリュード』
演奏会用エチュードはカプースチンの曲の中でも人気が高く、よく弾かれているようです。プレリュードでは、ラテン系の明るいシンコペーションのリズムと両手のめまぐるしい音の動きが打楽器のように聞こえます。これを指定のテンポで弾くのは至難の業ですが、歯切れのよいジャズ・ロックのリズムが生み出す明るさがとても魅力的です。


リムスキーコルサコフ作曲 シェへラザード 作品35ほか 演奏者 ロベルタ・プラータ・クレメンス

Nicolai Rimsky-Korsakow (1844 -1908)
gehörte zu den fünf russischen Komponisten, die sich um Balakirew zum „Mächtigen Häuflein“ zusammenschlossen. Diese Komponisten waren Laienmusiker, die eine eigenständige russische Musik etablieren wollten. Rimsky-Korsakow durchlief eine militärische Laufbahn bei der Marine und bildete sich autodidaktisch, bevor er Kompositionsprofessor des St. Petersburger Konservatoriums wurde. Zu seinen Schülern zählten u.a.  Prokofiew und Strawinsky.
ニコライ・リムスキー=コルサコフはバラキレフを中心に結成された「強力な集団」、すなわち”ロシア5人組”の一人である。このロシア5人組は、アカデミーで学んだ経験のない集まりで、自分たちのロシアの民族音楽を創造しようとした。リムスキー=コルサコフは、後にペテルブルク音楽院の作曲家教授に任命されるまでロシア海軍に在籍しており、音楽を独学で学んだ。彼の弟子としてはプロコフィエフやストラヴィンスキーなどがいる。

Sheherazade op. 35
Die  viersätzige Suite „Sheherazade“ zählt zur Programmmusik, Inhalt sind die Märchen aus 1001 Nacht. Der Sultan verbringt jede Nacht mit einer anderen Frau, die er am nächsten Tag hinrichten lässt. Die kluge Sheherazade aber unterhält den Sultan mit  ihren Geschichten, die sie erst am nächsten Abend zu Ende erzählt, um dann eine neue Geschichte zu beginnen. Nach 1001 Nächten hat sie den Sultan besänftigt und sein Herz erobert. „Das Meer und Sindbads Schiff“, der erste Satz, ist eine von Sherehazades Geschichten.

シェヘラザード 作品35
4楽章からなるシェヘラザードは「アラビアン・ナイト」を題材にした標題音楽である。国王は毎晩、新しい妻を迎えては翌朝に処刑するということを繰り返していた。そこで、聡明なシェヘラザードは王に毎夜魅力的な話を語り、続きは次の日の夜に語ることにしたのです。王は翌日も話が聞きたくてシェヘラザードを殺せなくなります。千一夜目に、彼女は王をなだめ、彼の心を改心させることに成功する。第1楽章の「海とシンドバッドの船」はシェヘラザードの語りのひとつである。

Moritz Eggert
Der 1965 in Heidelberg geborene Komponist studierte u. a. bei Wilhelm Killmayer in München.
Ein Schwerpunkt seines Schaffens sind Werke für Musiktheater.
Auch in Instrumentalwerken verwendet Eggert außermusikalische Elemente. So schrieb er
für den Wiener Opernball ein „Fußballett“.
Außerdem schrieb er eine Komposition zur Eröffnung der Fußballweltmeisterschaft 2006.

モーリッツ・エッゲルト
1965年ハイデルベルク出身。作曲をミュンヘンのウィルヘルム・キルマイヤーらに師事。彼の創作活動の重点はオペラ作品に置かれ、また器楽曲におけるアクションの追求を一貫している。2008年にはウィーンのオペラ座舞踏会で舞踏家とオーケストラのための「サッカー・ダンス」も初演される。また、2006年のワールドカップの開幕式のためにも作品を書いた。

Aboriginal für zwei singende und schlagende Pianisten und ein Klavier
Die zwei Pianisten spielen nicht nur archaische Melodien, sondern singen einen Scat-Gesang  und  schlagen  auf das Instrument.
2人の歌い、叩くピアニストとピアノのためのアボリジナル
2人のピアニストは古代ギリシャの旋律を弾くだけではなく、特別な意味のない音を即興的につないでいく歌 、スキャットを歌い、楽器を叩く。

Lu Yen (1930 -  2008)
wurde 1930 in Nanking (China) geboren. Er studierte in den USA u. a. Bei George Crumb. Später lehrte er Kompositon und Kontrapunkt an der University von Taipei,Taiwan.
Er hinterließ zahlreiche Kompositionen von Solostücken über Kammermusik bis hin zu Werken für Orchester. Lu selbst sagte, er wolle in seinen Stücken „Kraft und Schönheit von Mutter Natur preisen“.
リ・エン
1930年南京(中国)出身。アメリカ合衆国でジョージ・クラムに師事。後に台北の国立台湾師範大学にて作曲と対位法を指導。独奏曲、室内楽、さらには管弦楽曲にまで至る、数多くの作品を残している。リ・エンは自身の作品を通して「母なる自然の力と美を讃賞したい。」と自ら語っていた。

Piece for four Hands
In dem Stück ist eine chinesisch klingende Melodie in eine serielle Komposition eingearbeitet, der eine Liedform zugrunde liegt.
Der starke Kontrast dieser Elemente spiegelt das Leben im modernen Taipei.
4手のための小品
リート形式に基づくこの曲には、セリエル音楽の中に中国風な旋律が書き加えられている。全く対照を成すこれらの構成要素は現代の台北の生活を反映している。

Roberta Plata-Clemens

ロベルタ ・プラータ クレメンス

The Dark Sea
Unter dem kilometerdicken Eispanzer der Antarktis findet man Süßwasserseen mit flüssigem Wasser. Diese alten Seen sind Zeitkapseln, sie bieten einen Lebensraum für bisher unerforschte Mikroben, seit 400.000 Jahren abgetrennt von unserer Welt.
暗い海
南極の何キロメートルにも及ぶ分厚い氷床の下には、淡水湖があり水が流れている。これらの古くからある湖はタイムカプセルと言え、未だに発見されていない微生物が生息しており、40万年前から私達の世界から隔離されている。

フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ作曲: 「夏の名残りのばら」による幻想曲 ホ長調 作品15 ほか 演奏者 滝村乃絵子

フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ:
「夏の名残りのばら」による幻想曲 ホ長調 作品15
あまり名の知られないこの曲は1827年に作曲される。アイルランドの国民的詩人、兼作曲家のトーマス・ムーア(1779-1852)の詩によるアイルランド民謡《夏の名残りのばら》が基になっている。この優雅でセンチメンタルな民謡は多くの作曲家によってもテーマに採り上げられ、ベートーヴェンのフルートとピアノのための変奏曲作品105やフロトーの歌劇「マルタ」の中でも旋律を聴くことができる。
曲想に関しては、冒頭の歌の始まる前にまず、一音ずつ長く保たれた、ハープを思わせるホ短調のアルペジオの和音が鳴り響く。ゆっくりと音が消え去ると同時に始まるホ長調の美しい民謡。歌を歌い終えると、この幻想曲の中心である、テーマとは対照的なホ短調のプレスト・アジタート(急速に、激して)の勢いに音楽は一掃される。この熱狂的で興奮した空気は曲の中盤のレチタティーヴォ(朗唱)や終盤に短く現れる民謡のテーマによって一時中断される。最後にメンデルスゾーンはコーダ(終結部)を書き加え、そこには思い出のようにゆっくりと歌を再びホ長調で折り込んでいる。この作品の中のホ短調のプレスト・アジタートやホ長調の叙情的な曲想は後のメンデルスゾーンの集大成でもある「無言歌集」でも多く見られることになる。

今回のテーマ、「世界の音楽」にちなんで誰もが耳にしたことのあるアイルランドの民謡を取り入れたかったのが選曲の理由。ドイツの作曲家メンデルスゾーンが旅先での感動をこの1曲にまとめました。国は違っても感動する心は共通する、ということは時代を超えても受け継いでいかれるものではないでしょうか。しかし、この美しい民謡をこれほど激しく即興的かつ明瞭に展開させるメンデルスゾーン、さすが天才音楽家だと思いました。

アストル・ピアソラ:アディオス・ノニーノ「タンゴ・ラプソディ」
「アディオス・ノニーノ(さよなら、父さん)」は、アルゼンチンの作曲家でバンドネオン奏者のアストル・ピアソラによる1960年の代表曲。1959年に亡くなったピアソラの父に捧げられた。ピアソラは父、ノニーノのことを敬愛・尊敬しており、タンゴを聞かせてくれたのも父、貧しい中バンドネオンを買い与えてくれたのも父でした。つまりは音楽的な意味でも父親だったといえます。
1958年ピアソラがニューヨークを拠点にやや不遇でありながらアメリカで活動していた時のこと。メキシコでの2ステージに臨む最中、前半を終え、休憩時間に父の訃報を知る。
最愛の父親を失いながらも、後半のステージを執り行います。その後、ニューヨークに戻ったピアソラは自室にこもります。息子ダニエルはこう語っています。
「父は、しばらく一人にしてくれと私達に頼んだ。私達は台所に入った。初めのうちは全く静かで、それから間をおいてピアノを弾くのが聞こえた。それは悲しい、恐ろしいまでに悲しいメロディだった。」

こうして生まれたのが生涯引き続けられていく代表作、「アディオス・ノニーノ」です。
こうして生まれたこの曲は、当初冒頭のピアノソロはありませんでした。
19695重奏団を再結成するとき、ピアニストとしてジャズ畑で活躍していた「ダンテ・アミカレリ」が加入します。手が小さい分、類稀なるテクニックを有していたピアニストで、「初めて見る楽譜もスラスラ弾いていしまう」という評判でした。いたずら好きのピアソラはいろいろ難題をふっかけますが、あっさり弾いてしまいます。余計に怒ったピアソラは、「明日のためにピアノソロを書いておくから、もしそれが初見で弾けたら、おれは音楽家なんかやめて、残りの人生は編み物でもして過ごすよ。」とったそうです。次の日、集まったメンバーたちの前で、落ち着き払った態度でアミカレリはメロディーを弾き始めます。あまりの美しさに、メンバーたちも聞き入ってしまった…
それが「アディオス・ノニーノ」の新編曲だったわけです。

今日いろいろな編成で演奏されていますが、今回はピアノ・ソロバージョンです。多くを表現するのにはかなり無理がありますが、少しでもピアソラの世界を皆様に楽しんでいただけたら、と思います。

滝村乃絵子







ジョージ・ガーシュイン作曲 「ラプソディー・イン・ブルー」ほか 演奏者 梅谷初

今回の演奏会のテーマである「世界のピアノ音楽」が決まった時、
真っ先に閃いて演奏したいと思った曲が、
ヴィラ・ロボスの、Cicro Brajileiroの中から、
今回演奏する二曲でした。
私ごとですが、今回演奏する三曲は、
どれも、日本の大学時代の恩師の
故松谷翠氏と深く関わっている
思い出の曲たちです。

今年で早くも、ドイツへ留学に渡ってから住みついて
かれこれ丸20年を数える年に
なりました!
このキリの良い、記念すべき年に、
なぜか、恩師に深い関わりのある
この三曲を演奏する縁になったことは
単なる偶然ではない気がしています。

恩師である、今は亡き松谷翠氏に大学時代に
出会い、強烈にインスパイアされたことが
それまで、あまりはっきりした進路の意思がなかった
わたしにとって、音楽の道を目指すひとつの
大きなきっかけになりました。

ピアニスト、松谷翠は、
現代音楽とクラシック、
ジャズの境界線を自由に行き来していた
型にはまらないユニークで、才気溢れる
演奏家でした。
「ラプソディーインブルー」
をメインプログラムにした
CDが、師の演奏に触れた初めての体験で、
在学中に癌で急逝した師の、お葬式に流れていた
録音で最後に聴いた師の演奏が、
ヴィラ・ロボスの「セレナード弾きの印象」だったのです。。

ここで、少し楽曲について触れてみます。

エイトル・ヴィラ・ロボスは、1958年、ブラジルのリオデジャネイロ
生まれの作曲家です。
独学で作曲を学び、
クラシックの作曲法に、ブラジルの民族的な
音楽を取り込み、独自のスタイルを
確立しました。
ブラジルのみならず、南米を代表する作曲家と
言っても良いでしょう。

さて、本日演奏するのは
そのヴィラロボス作曲の、Cicro Brajileiroの中からの
二曲です。
このチクルスを作曲した年に、ヴィラ・ロボスは
再婚しています。
そしてその、再婚相手の妻に向けて
この曲集を捧げています。

今回演奏する、「セレナード弾きの印象」は
嬰ハ短調、A-B-A-C-A形式。
哀愁を帯びた、ギター弾きのセレナーデを
想像させるような節が印象的です。

「奥地の祭り」は文字通り、
奥地にて、祭りにて派手な踊りが
繰り広げられているかのような、
色彩豊かで演奏効果たっぷりの曲。
ハ長調、A-B-C-A-B-D-A-コーダの形式。

ジョージ・ガーシュイン作曲の、
ラプソディー・イン・ブルー。
日本では、近年、のだめカンタービレの
大ヒットで、耳にされた方も
多いのではないかと思います。
ジャズとクラシックの融合したスタイル
シンフォニックジャズというカテゴライズに
なるようです。
元々、オーケストラとピアノソロの為に書かれた作品ですが、
今回演奏するのは、ガーシュイン自身の編曲版になります。
元々、作曲者が作ったライン(スケッチ?)があり
オーケストレーションに精通していなかった
ガーシュインが、ファーデ・グローフェの助けを借りて、
完成したということです。
ダイナミックなリズムと、宣伝や、
映画音楽などにも使われている、
中間部の美しいメロディアスな
部分が対比的であり、古今東西、多くの人の心を魅了し、
つかんで離さず、聴き継がれて来た名曲。
ジャズ的な感性が譜面にしてあり、
それをクラシックのピアニストとして
弾くことのできる楽しさや、醍醐味というのが
大いにあると思います。