2017年1月30日月曜日

フォーレ ノクターン 第2番、第6番、第13番 (解説 ヴァラーシュタイン西原典恵)

フォーレの全13曲からなるノクターンは
彼の活動時期のすべてにわたって作曲されており、
第1期(第1〜5番)、第2期(第6〜8番)、第3期(第9~13番)に分けられます。
今回はその中から3曲、第2番、第6番、第13番を演奏します。

第2番・・・1881年ごろ作曲。
鐘の音を思わせる甘美なメロディーに始まり、幸福感に満たされた曲。
サン・サーンスはフォーレにあてた手紙にて「無限の喜びを感じた」と伝えています。

第6番・・・1894年作曲。
フォーレの円熟期の作品で、内容はとても瞑想的。
ピアニストのマルグリット・ロンは「フォーレの最も美しいインスピレーション」、
コルトーも「あらゆるピアノ曲の中で最も美しい曲の一つ」と評しています。
フォーレはこれほどの美しい曲を、
病気の息子と環境の良くない部屋という悪い状態のなかで作っています。

第13番・・・76歳で作曲され、彼の最後のピアノ曲となりました。
このころは難聴に侵され、これを最後に作曲活動が下火に向かいます。
弟子のシャルケは「ノクターンの中で1番真に迫る、苦悩に満ちたもの」と評しています。
バッハを思わせるような4声の対位法のメロディーで始まり、
終わりも同様に締めくくられています。
76歳で作曲したとは思えないほどの迫力に満ちた強烈な思いが伝わってくる、
フォーレの傑作。
フォーレがどんな心情であり何を訴えたいのか?
探りながら耳を傾けながら彼の言わんとすることに
少しでも近づけるような演奏が出来たら、、、と願っています。



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