2018年2月28日水曜日

Vielen Dank! Berichte von letzten Konzert.先日のコンサートのお礼とご挨拶





Liebe PIANOSOLI Freunde,

der Winter hat uns alle ja richtig schön im Griff. 
Ich hoffe, Sie bleiben alle gesund und fit. 
Dafür scheint aber die Sonne fast immer 
und gibt uns ein viel besseres Gefühl mit als das ewig graue nasse Wetter.

Letzten Samstag, 
am 24. Februar  haben wir unser  
10-jähriges Jubiläums Konzert erfolgreich durchgeführt.

Wir bedanken uns herzlich bei den Jenigen,
 die  zu unserem Konzert gekommen sind und mitgefeiert haben.

Es ist schon erstaunlich, wie schnell diese 10Jahren vorbei waren.

Ohne die Unterstützung von der Firma Bechstein, dem stilwerk und vor allem Ihnen 
als Publikum hätten wir nicht so lange bestehen können.

Dafür sind wir sehr sehr dankbar und dafür, 
dass Sie immer gerne zuhören und
dabei sein wollten.

Unsere Arbeit bei PIANOSOLI hat weit über unsere Konzerte hinaus 
 auch uns geprägt und unsere anderen Aufgaben im Musikerleben beeinflusst.

 Auch in nächster Zeit wollen wir weiter machen, 
uns entwickeln, experimentieren und interessanter werden. 

Wir freuen uns schon darauf, 
 weitere 10 Jahre mit Ihnen gemeinsam musikalisch zu gestalten. 
Dafür zählen wir gern auf Ihre Unterstützung. 
Lassen Sie uns die große und tiefe Welt der ganzen Klavierliteratur entdecken. 

Übrigens wir freuen uns sehr über jede Rückmeldung von Ihnen.
Sagen Sie uns ganz offen Ihre Meinung!
Dazu erreichen Sie uns hier unter pianosoli@gmail.com.

Wir wünschen Ihnen alles Gute und
wir sehen uns wieder um die  gleiche  Zeit am nächstes Jahr!

Liebe Grüße
Ihre PIANOSOLI

親愛なる皆様、

日に日に寒さが厳しくなるこの頃ですが、
皆様にはいかがお過ごしでしょうか。
と申しましても、
二月に入ってからは、太陽が、毎日出てくれて、
これで大分気分は違って来ますね。
家の中にいると、春のような陽気に思えますが、
本物の春が来るまで、もう少しの辛抱ですね。

去る2月24日の土曜日、私たちPIANOSOLIの定期公演を
無事に終えることができました。

足を運んで下さったお客様方に厚く御礼を申し上げます。

今年は、10周年の記念公演で、休憩時にはドリンクサービスも
あり、皆様と楽しくお祝いすることができました。

月並みですが、10年という月日の過ぎ去る
途方もない早さに、驚くばかりです。

この10年間というもの、私たちのコンサートに協力して下さった
ベヒシュタイン、stilwerk、そして、なによりも、
喜んで聴きに来て下さった皆様のお陰で私たちの細々とした活動も
続けて来ることができました。

ここでの活動が肥やしとなり、仕事や、他のコンサート活動にも、
多くの力となって影響している事は、
メンバーそれぞれ感じていると思います。

これからの10年も、PIANOSOLIは音楽家として、
さらに発展、成長しながら、
皆さんと共に歩んで行きたいと思っております。

ピアノ音楽の奥深さを更に、共に探求して行きましょう。

これからもPIANOSOLIを、応援して頂きたく、
何卒よろしくお願い致します。

皆様の忌憚のないご意見、ご感想をPIANOSOLIは喜んで
受け付けております。

次回演奏会のお知らせは、
こちらのブログにて、ご覧ください。
(恐らくまた同じ時期になると思われます。)

それでは、次回演奏会にて、又お目にかかるのを
楽しみにしつつ。。
皆様にとって、素敵な一年になりますように。
草々

PIANOSOLI


2018年2月17日土曜日

バッハ– ブゾーニ: トッカータ, アダージョとフーガハ長調BWV564よりアダージョ 他 (解説 ロベルタ・プラータ・クレーメンス)


Roberta Plata-Clemens: Night flower (1997)

Es gibt Blumen, die in der Nacht blühen. 
Mit hellen Blüten, die im Mondlicht reflektieren 
und einem betörenden Duft locken sie 
Nachtschwärmer an. 

Besonders eindrucksvoll ist es, 
wenn die Nachtkerze in der Dämmerung 
ihre Blüte öffnet. - um sie erst im Licht der 
Morgensonne wieder zu verschließen. 

Das Stück wurde auf Wunsche von 
Prof. Roberto Sidon komponiert, 
der es im Rahmen einer Konzertreihe 
für Moderne Musik auch uraufführte.

プラータ・クレメンス:「夜の花」(1997年作曲)

夜に咲く花がある。それらは、
花を月光で明るく照らし、
うっとりするような香りで蛾を誘惑する。
朝日が昇ると再び花びらを閉じてしまう月見草が 
夜明けに花を咲かせる時、殊更印象的である。
ロベルト・シドン氏に作曲を依頼され、
また現代音楽シリーズの一環にて同氏による初演が行われた。

J.S. Bach  - Busoni : Adagio aus dem
„Toccata, Adagio und Fuge C-Dur BWV 564“

Die Toccata C-Dur ist eine Orgelkomposition 
von Johann Sebastian Bach, 
die er 1708 in Weimar in seiner Zeit 
als Hoforganist schrieb. 

Das Werk ist außergewöhnlich, 
weil Bach zwischen das Präludium(die Toccata) 
und die Fuge zum allerersten Mal noch 
einen langsamen Satz (Adagio) einschiebt. 

Der langsame Satz besteht aus einer zarten  
ariosen Melodie der rechten Hand 
über einer schlichten akkordischen Begleitung. 
Eine Solokadenz führt in 
einen schmerzvoll-emphatischen Abgesang. 

Anschließend macht die Tempobezeichnung 
Grave die harmonische Intensivierung 
wie in Zeitlupe sichtbar. 
Im Jahr 1900 hat Ferruccio Busoni 
das Orgelwerk für Klavier bearbeitet. 
Er zählte diese Toccata zu seinen ausgereiftesten Arbeiten, 
auch wenn die Toccata d-Moll sehr viel populärer geworden ist.

バッハ - ブゾーニ: トッカータ, アダージョとフーガハ長調BWV564よりアダージョ

トッカータハ長調は1708年にバッハが
ワイマールで宮廷オルガニストとして勤めていた時に
書いたオルガン曲です。
この作品でバッハは異例にも 
前奏曲(トッカータ)とフーガの間に
初めて叙情楽章(Adagio)を挿入しました。
この叙情楽章には
簡単な和音の伴奏に
右手のやさしい歌うような旋律がつけられています。
独奏カデンツァは切なさを感じさせられる
歌曲の終結へと導きます。
続くテンポ表記グラーヴェ(重々しく)で、
和声の迫力がまるでスローモーションで
再現するかのようにはっきりと聴こえます。
1900年にブゾーニがこのオルガン曲を
ピアノのために編曲しました。
二短調のトッカータの方が
はるかに有名になったけれども、
彼にとって最も成熟した作品のひとつと数えています。

Roberta Plata-Clemens: Nocturnal flashing (2017)

Eine sternenklare Sommernacht. 
Man sieht den großen Wagen 
und das Band der Milchstraße. 

Wind kommt auf, 
er schiebt kleine dunkle Wolkenfetzen 
über den Himmel und 
die Sterne beginnen zu blinken.

プラータ・クレメンス: ノクターン風の瞬き (2017年作曲)

ある星降る夏の夜。
大熊座や天の川の帯が見えます。
風が起こり、小さな暗い千切雲を
空の向こうに押しやると、星が瞬き始めます。


フランツ・リスト:  巡礼の年 第1年 スイス 第1曲 「ウィリアム・テルの聖堂」 第4曲「 泉のほとりで」(解説 藤枝有紀子)


今回の『10周年記念演奏会』で、私が取り上げるのは、リスト。彼が1835年から1836年にかけて、マリー・ダグー伯爵夫人とともに滞在したスイスの印 象をまとめた『旅人のアルバム(1842年に出版)』に手を加えて、1855年に発表した『巡礼の年 第1年 スイス』からの2曲です。

自由を愛したシラーの描いた、スイス建国の父への荘厳なオマージュ『ウィリアム・テルの聖堂』そして、絶え間なく湧き出る泉の清らかで瑞々しいエネルギーを華麗な『泉のほとりで』。

どちらの曲にも、フリードリヒ・シラーの一節が題字として記されています。文学にも造詣の深かったリストが選んだ短い一節は、それぞれ次の通り。音楽とともに、ほのかに文学的な香りもお楽しみいただければ、幸いです。

『個人は全体のために、全体は個人のために』
『囁くような冷たさの中で、若々し自然の戯れが始まる』


ベートーヴェン:ピアノソナタ第31番作品110変イ長調(解説 滝村乃絵子)


ピアノソナタ第31番変イ長調作品110
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが
1821年に完成したピアノソナタ。

ベートーヴェンは生涯にわたって
ピアノソナタを書き続けました。
中でも第31番と第32番は大作「ミサ・ソレニムス」
と並行して作曲され、ベー トーヴェンが行き着いた
ピアノ音楽の集大成的作品とされています。
最後の3つのソナタ第30番、第31番、第32番は
それまでのソナタとは全く違う世界を 示しています。
それを言い表すなら
「深い悲嘆」と「浄化」でしょうか。
31番作品110はまさしく、
最も深い悲嘆に包まれた作品です。

この曲を作曲当時の
ベートーヴェンは健康をひどく害し、
経済的にも決してゆとりがあるとは言えませんでした。
しかしそうした外的な状況と反するかのように
彼の心境は益々高く
透徹としたものになっていったのです。
キリスト教に止まらない
広い宗教観を持っていたベートーヴェンの
晩年の思想や精神性に 
大きく影響していたかもしれません。

31番では
とりわけ第3楽章のベートーヴェン自らが呼んだ
「嘆きの歌」が有名です。
その影でひっそりと佇む第1楽章には、
無心で野に咲き揺れる花のような
透明感と可憐さがあります。
短いながら強いアクセントとなっている
2楽章に続く第3楽章の
「嘆きの歌」と呼ばれる、短調の物悲しい旋律には、
いつになく弱々しく悲嘆的な
ベートーヴェンの姿が映し出されています。
いつもは短調でも力強く推進的なのが、
ここではそうした威勢の見る影もありませ ん。
そしてその後に続くフーガにも
苦悩に立ち向かうというよりは、
それを受け入れることで昇華されていくような、
自然体で伸びやかな響きが感じられます。 
物事をありのままに受け止め肯定することで、
苦痛から解放されるといった感じでしょうか。
フーガは昇りつめるように進んでいき、
ついには明るく確信に満ち た終結を迎えます。

幾多の辛酸をなめてきた
ベートーヴェンだからこそたどり着いた境地。
もうこの世の闘争やわずらいとは
関係のない世界です。
これは後期の弦楽四重奏曲にも
同じような心境をうかがえます。

今回、この曲を舞台で演奏するのは
2度目になります。
1度目はもう10年以上前になります。
この曲が、自分の人生の歩みを
感じさせてくれる曲と 言っても過言ではありません。
若かった頃のたくさんの思い出と共に、
いつも新しい何かが聞こえ、
奥深く、終わりがありません。
常に自分の心と対話しなが ら、
その時々の自分の演奏ができれば幸せです。


フレデリック・ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 作品22、ノクターン 嬰ハ短調 作品27-1(解説 梅谷初)


今回演奏する フレデリック・ショパンの
アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ、ノクターン op.27-1
ランダムに選んだのですが、
たまたま、ショパンの青年期、同時期に作られた作品です。

アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズは、
ポロネーズ部分が1831年にピアノと管弦楽のために、先に作曲され、
アンダンテスピアナート部分が、1834年に作曲されています。
現在、最も多く演奏される形のソロの楽譜は、1836年に出版されています。

1831年といえば、ショパンは21歳。
同じ年に、一番と二番のピアノ協奏曲も作曲されています。
こんな若い時期に、すでに大作をいくつも作曲していた天才性に今更ながら
気付かされます。

ノクターンは、ショパンの生涯を通じてのライフワークでした。
初期の作品は、アイルランドの作曲家、ジョン・フィールドの影響が
色濃いと言われていますが、
晩年に近づくにしたがって、独自の境地に到達していく様子が見られます。

今回演奏するノクターンは、op.27-11935年、ショパンが25歳の時の作品。
左手の分散和音が、第三音抜けた状態で始まるため、嬰ハ短調なのか、
ホ長調なのか、しばらくわからない状態で進み、それが異界の響きのような、
不思議な感覚を醸し出しています。中間部には短いマズルカ部分がありますが、これは、アンダンテスピアナートにも見られます。

1931年、ポーランドで11月蜂起があって、
この時期、望郷の念からこのマズルカを曲の中に挟んだ作品が
いくつかあると言われています。

ウイーンでのポーランド人の評判がこれにより、落ちてしまい、
演奏活動が難しくなったために、
翌年、ショパンはパリへ居を移すことにします。
この移動の途上、蜂起が失敗に終わったことを知ることになります。
愛国者だったショパンですが、こうして生涯ポーランドの地を再び
踏むことはなかったのです。


シューマン:ピアノソナタ第1番 嬰へ短調 作品11(解説 ヴァラーシュタイン西原典恵)

この曲は、初版が
「フロレスタンとオイゼビウスによるソナタ(クララに献呈)
と題されたように、
いわばロベルトからクララへ、
フロレスタンとオイゼビウスを通じての
音楽のラブレターのようなものです。
シューマンの架空の団体「ダヴィッド同盟」
に属する二人の主人公、
明るく外向的な性格のフロレスタン、
静かで内向的な性格のオイゼビウスが
代わる代わる登場します。
この極端に異なる性格の二人は、
シューマン自身の内面性に反映されています。

18321835年に作曲され、
それまでは幻想曲や変奏曲といった小品に
取り組んできた作者が
初めてソナタ形式の大作に挑んだもの。
しかもソナタ形式にもかかわらず、
型破りで自由な発想が時折見られます。
そういうことからも、
古い習慣を破って新しいものに取り組むという
二人の主人公の登場は、 
この曲の内容にしっくり来る気がします。

1楽章・・・1832年作の
「アレグロファンダンゴ(スペイン、アンダルシア地方に伝わる舞曲リズム)
を改作したもの。
ゆったりとした長大な序奏に続き、
ファンダンゴの激しいリズムによって
楽章全体を支配している。
フロレスタンを思わせる。

2楽章・・・1827年自作の歌曲
「アンナに寄せて」に基づいた美しい楽章。
オイゼビウスの要素。

3楽章・・・軽快なスケルツォ。
中間部はポロネーズ風の間奏があり、
途中自由なレチタティーヴォが用いられ
「オーボエ風に」という指示もある。

4楽章・・・分散和音に始まる長大な終楽章。
転調もしょっちゅう、様々な要素が盛り込まれて、
形式的にも複雑さを極める。

フロレスタンの動、
オイゼビウスの静が
どこで表現されているかを見出しながら聞いていくと
面白いと思います。
文字通り、
シューマンの音楽と
文学が融合された一曲です。
シューマン夫妻が住んでいた
このデュッセルドルフの地で
演奏できることを嬉しく楽しみにしています。